2026年を迎えて 高市政権の外国人政策 「開かれた共生社会」を目指してほしい
- 2026/1/1
- 時代のことば
- 日本語教育, 日本語教育推進議員連盟, 日本語教育機関, 高市政権
- 2026年を迎えて 高市政権の外国人政策 「開かれた共生社会」を目指してほしい はコメントを受け付けていません

2026年を迎えて 高市政権の外国人政策 「開かれた共生社会」を目指してほしい
2026年を迎えました。明けましておめでとうございます。「ほにんごぷらっと」を開設して今年で10年目になります。日本語教育に焦点を当て、併せて多文化共生社会に関する動きを中心に情報発進してきましたが、サイトをご覧いただいている皆様の目にはどのように映ったでしょうか。2026
インターネットサイト「にほんごぷらと」は、2016年に超党派の日本語教育推進議員連盟の発足に併せて開設しました。当時、日本語教育に関する法律はなく、所管する官庁もありませんでした。議員連盟の大きなミッションは日本語教育の「基本法」を制定することでした。基本法が制定され、政府が日本語教育を発展させる法整備ができたわけです。
日本語教育推進法は2019年に議員立法で成立しました。それを受けて、政府と地方自治体には日本語教育の推進が「責務」とされ、文部科学省に日本語教育課が創設されました。さらに日本語教育機関(日本語学校)を国の認定教育機関とし、日本語教師に国家資格を付与する日本語教育機関認定法も制定されました。
「にほんごぷらっと」は、こうした日本語教育に関する様々な情報を発信してきました。日本語教育は多文化共生の社会づくりの最も重要なインフラです。政府もそれを理解し、日本語教育ばかりでなく、共生のための「総合的対応策」を策定し様々な事業に取り組んでいます。
言うまでもなく日本は高齢化と人口減少、それに伴う労働力不足で地方経済は疲弊し、「地方都市の消滅」も危惧されています。有効な人口減少対策は、外国人受入以外はないはずです。自民党の一部と産業界がそれを早くから見据え、政府に対応を促してきました。
自民党外国人材交流議員連盟は2008年に「日本語型移民政策の提言」をまとめました。同じ年に経団連が「人口減少時代の社会経済の在り方」の文書を策定し、その中で「移民受け入れを」を提唱しました。
さて、高市政権は外国人政策をどのように進めていくのでしょうか。外国人受け入れを積極的に取り組んだのは安倍政権ですが、安倍政権を含め政府・与党は、それを正面から議論してきませんでした。その意味では、高市政権は一歩踏み出したと言えるでしょう。
高市政権は外国人政策を重要課題であることを公言し、1月には従来の政策を見直し「政権としての新たな外国人政策」をまとめる考えを示しています。ただ、「愛国・右派」の政治勢力を後ろ盾にする高市早苗首相は、「外国人への対応を厳格化する」意向を強調しています。法律や社会のルールを外国人に厳格に守らせる、ということです。
そのことに異論を唱える人は少ないと思われますが、それを必要以上に強調することには違和感を覚えます。そもそも初めて日本に訪れる外国人の中には、日本の法律やルールを知らない人が多いはずです。日本語が分からない人にルールを守れと言っても理解されないでしょう。私たち日本人も外国でその国のマナーがわからずに戸惑うケースが少なくないはずです。
在留外国人が400万人近くまで増え、外国人観光客も急増しています。このため国民の間に不安やいら立ち覚える人が増えているのは事実のようです。朝日新聞が昨年11月に高市政権の外国人政策に関して行った世論調査では、在留外国人や外国人観光客について「増えた方がいい」が26%、「減った方がいい」は56%でした。また、高市政権の外国人政策については「期待の方が大きい」が66%で、「懸念のほうが大きい」は24%でした。高市政権の対応の「厳格化」を多くの国民が支持しているようです。
しかし、地方自治体の受け止め方は大きく異なっています。共同通信が実施した知事と市区長村長へのアンケート(2023年)では、外国人受入れが「必要」が30%、「どちらかといえば必要」は56%で、「必要」は遇わせて86%にのぼりました。「必要ない」「どちらかと言えば必要ない」は計8%でした。アンケートは地方の人で不足の状況の深刻さを浮き彫りにしています。
外国人が急増したことで一部地域には軋轢が生まれています。日本人の間に漠然とした不安を不満が増えています。高市政権は、そうした反外国人のムードや保守支持層の意向を踏まえて外国人受け入れの厳格化を強調しているように思えます。高市首相は「排外主義とは一線の画す」と言っていますが、高市首相がいう排外主義とはどんなことを意味するのでしょうか。
石破政権時代の昨年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2025」では、「外国人との秩序ある共生社会の実現」について、「法令順守の徹底、制度の適正利用、透明性の確保の観点から、国内社会のグローバル化を前提としていない制度・運用の全般を見直すなど、総合的・施策横断的取り組みを進める」と書いています。
その具体策として①出入国管理の一層の適正化②外免切替手続・社会保障制度等の適正化③国土の適切な利用及び管理④観光・短期滞在者への対応の強化―を挙げています。自民党の総裁選の候補者や高市政権の関係者が外国人政策に関していろいろな発言をしていますが、おおむね「骨太の方針」に沿った意見を述べているだけです。
先に触れたように高市首相は1月に「高市政権の外国人政策」を公表すると言っています。石破政権時代とは違った政策を出すと思われます。果たしてどんな中身になるのでしょうか。秩序ある共生社会も大事ですが、併せて「開かれた共生社会」を目指してもらいたい。透明度の高い、相互理解をより深めあえる社会です。
にほんごぷらっと編集長・石原 進























