留学生教育学会に300人 外国人が増加する中、日本語教育を多角的に議論

留学生教育学会に300人 外国人が増加する中、日本語教育を多角的に議論

留学生教育学会は8月23、24の両日、東京都荒川区の赤門会日本語学校などで、2019年度の研究大会を開いた。4月に改正入管法が施行され、先の通常国会では日本語教育推進法が成立したのを受け、今回は「岐路に立つ高等教育と日本語教育―新しい外国人制度について考える」がテーマ。時宜を得たシンポジウムや研究発表に、2日間の参加者は前会を大きく上回る約300人にのぼり、熱心な議論が展開された。

留学生教育学会は、留学生に対する教育あるいは指導・支援に携わるすべての国内外の留学生関係者に開かれた学会で、留学生に関する生きた学問研究を遂行することを目的としている。大学をはじめ、専門学校学会や日本語学校の研究者や教員などが会員の多くを占め、多岐にわたるテーマを実践的に取り上げている。最近では非漢字圏の留学生の急増などの情勢の変化を踏まえ、各教育機関が垣根を超えてより魅力ある留学環境の整備に取り組むことが求められている。

今回の研究大会は、入管法の改正で外国人労働者の受け入れ枠が拡大し、日本語教育の重要性か高まっていることから、より多角的な日本語教育の在り方を議論した。留学生の日本語教育の基盤を支える日本語学校が初めて会場として選ばれたのも、そうした時代の要請に応えたものだ。

初日のシンポジウムでは出入国在留管理庁の根岸功・在留管理課長と文部科学省の丸岡充学生・留学生課長補佐が基調講演を行った。根岸課長は改正入管法で新たに創設された「特定技能」の在留資格や「外国人材受入れ・共生のための総合的対応策」など、政府の取り組みについて説明。この中で「共生社会」をつくるための外国人支援と日本語教育の重要性を強調した。根岸課長は「総合的対応策」の中に「日本語」という言葉が95回、「日本語教育」も44回使われていることを紹介したうえで、「外国人受け入れのインフラとして極めて日本語教育が重要だということです」と述べた。

丸岡課長補佐は留学生受け入れをめぐる最近の動向を報告した。留学生が増加する中で、大学や専門学校にも「留学」の趣旨を逸脱した事例が見られると警鐘を鳴らし、適切な在留管理の徹底を呼び掛けた。

また、ワークショップでは赤門会日本語学校や東京ギャラクシー日本語学校の教師が自校の教育の実践報告を行ったほか、早稲田大学日本語教育研修センターの金孝卿(キム ヒョギョン)准教授が「協働学習に基づく活動デザイン」と題して講演した。さらに「外国人との協働・共生」に関するシンポジウムやアセアンからの人材獲得に向けての関西経済団体連合会の取り組の報告もあった。

また24日には、専門学校・日本語学校からの事例報告として、非漢字圏学生への指導や、地域との共生などについて発表をはじめ、特定技能の現状についても現場からの報告も行われた。

にほんごぷらっと編集部

にほんごぷらっと編集部

にほんごぷらっと編集部にほんごぷらっと編集部

投稿者プロフィール

「にほんごぷらっと」の編集部チームが更新しています。

この著者の最新の記事

関連記事

コメント

  1. アバター

    Hi! I could have sworn I’ve visited this web site before but after going through many of the posts I realized it’s new to me.

    Anyways, I’m definitely pleased I stumbled upon it and I’ll be book-marking it
    and checking back often!

  2. アバター

    Hmm is anyone else encountering problems with the images on this blog loading?
    I’m trying to find out if its a problem on my end or if it’s the blog.
    Any suggestions would be greatly appreciated.

  3. アバター

    Hi there! I just wanted to ask if you ever have any issues with hackers?
    My last blog (wordpress) was hacked and I ended up
    losing a few months of hard work due to no backup. Do
    you have any solutions to stop hackers?

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


イベントカレンダー

6月
13
1:00 PM 第61回 外国人による日本語弁論大会 @ ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ(広島県福山市)
第61回 外国人による日本語弁論大会 @ ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ(広島県福山市)
6月 13 @ 1:00 PM
  第61回 外国人による日本語弁論大会 The 61st International Speech Contest in Japanese 世界の人々に日本語で意見を発表する場を提供することにより、日本や国際社会のあり方をお互いに考え合うことを目的としています。1960年より毎年開催されております。第61回大会は、広島県福山市で以下の要領で開催されます。 日時 2020年6月13日(土)午後1時開始 会場: ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ(広島県福山市) 応募受付期間: 2020年2月17日(月)から4月23日(木) 主催: 国際教育振興会、国際交流基金、福山市 後援: 外務省/文化庁/広島県/広島県教育委員会/福山市教育委員会/公益財団法人ひろしま国際センター/ふくやま国際交流協会/公益社団法人福山観光コンベンション協会/福山商工会議所/エフエムふくやま/ NHK / NHKエデュケーショナル/日本語教育学会 協賛: キッコーマン株式会社/専門学校新聞社/にほんこの凡人社/リコージャパン株式会社/株式会社スリーエーネットワーク/鞆鉄道株式会社/福山ニューキャッスルホテル/ツネイシホールディングス株式会社/株式会社エフピコ/アイデアル株式会社/学校法人 穴吹学園/外国人留学生を支援する会/一般財団法人義倉/学校法人教文学園 広島アカデミー/国際ソロプチミストローズ福山/有限会社ぬまくま夢工房/専門学校 福山国際外語学院/福山市日本中国友好協会/福山大学/福山元町通商店街振興組合/株式会社ブランパートナーズ/まごころ料理 ふな家 第61回実施要領、申込書などはこちら → ポスター → 実施要領 → 申込書(Word) → 申込書(PDF)
6月
27
12:30 PM 第29回 小出記念日本語教育研究会 @ 国際基督教大学
第29回 小出記念日本語教育研究会 @ 国際基督教大学
6月 27 @ 12:30 PM – 5:30 PM
第29回小出記念日本語教育研究会 ――開催のお知らせと発表の募集―― 小出記念日本語教育研究会を下記の通り開催いたします。今回も、口頭発表とポスター発表を募集いたします。募集要項をご覧の上、ふるってご応募ください。 さて、社会の変化に伴い、学習は教えられた知識をただ覚えることから、知識を社会と結びつけること、社会において実践すること、複雑化する社会の問いに対して、自分と他者との意見をまとめてよりよい答えを提案することへと変化しようとしています。また、このように急速に社会が変化する中で、グローバル化は進み、日本語教育も大きな変化の時期を迎えていると言えるでしょう。今後、日本社会の変化に伴いどのような変化の局面を迎えるかは計り知れません。複雑化する社会の問いに対して、新たな価値を生み出す人材が求められていると言えるのではないでしょうか。 このような変化の流れの中で、言語教育/学習はどう捉えなおされるべきか、学習者の主体的な学びを支えるために教師は何ができるか、また、学習を活性化する活動にはどのようなものがあり、それは言語学習にどう取り入れることができるか、新たな学びを評価するとはどういうことか。このような様々な問いを参加者の皆さんとともに考え、明日の現場につながる何かを持って帰ることができる機会を持つことができないだろうかと考えました。 そこで、今回は、学習科学の分野を牽引していらっしゃる白水始氏(東京大学)をお迎えし、ワークショップを含みご講演いただくこととなりました。学習理論をベースとし、協調活動やテクノロジーを利用し学びの質を上げようとする実践的教育学である学習科学の視点から、複雑な社会に立ち向かっていく学習者とその学びを支える教師に有益な示唆をいただけると期待しています。 多くの方々のご参加をお待ちしております。 2020年1月19日 第29回小出記念日本語教育研究会研究委員 世良時子・山岸宏明・高橋亘・中岡樹里 記 日時:2020年6月27日(土)12時30分より(会員総会は11時30分より) 場所:国際基督教大学(〒181-8585東京都三鷹市大沢3-10-2) 予定:11:30-11:45 会員総会 12:30-12:45 開会・プログラム説明 12:45-14:50  講演・ワークショップ「学習科学の視点から見た21世紀型スキルと言語学習-変化の時代における新しい学びと評価を支える」 講師:白水始氏(東京大学 高大接続研究開発センター 教授) 15:00-16:40 研究発表(口頭発表とポスター発表) 16:45-17:30  閉会・お茶の会 発表テーマ:日本語教育にかかわる研究(日本語学、異文化理解教育なども含む) ※オリジナリティのある未発表のものに限ります。 ※理論的な研究も実践報告もどちらも歓迎いたします。特に、日本語教育の現場における実践に基づいた研究の成果、および、現場と理論がどうつながるのかを問う内容を歓迎します。 発表形態:①口頭発表(発表20分、質疑応答10分) ②ポスター発表(A0判 84㎝×119㎝1枚以内の掲示および参加者との意見交換) 応募の資格: 応募の時点での会員資格は問いません。ただし、発表の採択決定後、発表年度(2020年度)の会費納入手続きが始まり次第、速やかに発表年度の会費を納入してください(会費納入状況によっては、発表取り下げとなる場合があります)。また、共同発表者の入会手続きは、筆頭発表者が責任をもって期日までに完了させてください。 ※年会費は支払いのあった年度のみ有効です。2020年3月末より前に納入された会費は2019年度分になりますので、ご注意ください。 応募方法:申込締切日までに研究発表申込フォームよりご提出ください。 https://bit.ly/2E5jNZt 何等かの理由により、オンラインフォームによる発表申し込みができない場合、下のURLからMicrosoft Word形式の「発表申し込みフォーム」をダウンロードし、必要事項をご記入の上、メールに添付し、下記の連絡先までお送りください。 https://bit.ly/36ojDsb 申込期間:2020年1月27日(月)~2020年2月23日(日) 締め切り日の2月23日(日)は、日本時間17時 必着 採否の通知:4月上旬までに審査の結果をメールでお知らせいたします。 連絡先: koide.happyo@gmail.com ※ご質問やお問い合わせもこちらへどうぞ。 注意:・応募の時点で未発表のものに限ります。他の学会・研究会の発表に応募している人が、同様の内容で本研究会の発表に応募すること(二重投稿)はできません。 ・いかなる理由があっても発表題目と内容の変更、発表者の増減は認められません。 その他:・採択の際に、研究委員より発表内容等に助言を与えることがあります。 ・採択の場合は、5月中旬までに予稿集の原稿をお送りいただくことになります。 ・研究会後、10月下旬までに論文集(2021年3月発行予定)掲載用要旨をご提出いただきます。 ・ご応募いただいたデータは、採否にかかわらず、1年間の保存期間のあとで責任をもって削除いたします。
ページ上部へ戻る
Secured By miniOrange