里見議員が大養協シンポで報告、日本語教育推進法案は6月第2週に成立へ

里見議員が大養協シンポで報告、日本語教育推進法案は6月第2週に成立へ

大学日本語教員養成課程研究協議会(大養協)の春季シンポジウムが5月24日、早稲田大学で開かれた。外国人労働者受け入れを拡大する改正入管法の施行や日本語教育推進法案の成立への動きが加速する中での大会となり、会場は予想を超える約150人の参加者で満席の状態。報告者の1人として招かれた日本語教育推進議員連盟事務局次長の里見隆治公明党参院議員は、衆院文部科学委員会が22日に可決し28日の衆院本会議で採決される予定の日本語教育推進法案の参院での審議について、「6月の第2週あたりが山場になろうと思いますが、しっかり通していきたい」と述べた。

里見議員は厚生労働省出身。外国人雇用対策課でEPA(経済連携協定)による外国人看護師、介護福祉士の受け入れを主導した経験を持つなど外国人政策に詳しい。日本語議連では中川正春会長代行、馳浩事務局長らと法案作成の実務を担った。また、参院で法案審議の優先順位などを決める議院運営委員会の理事も務める。

里見議員は法案の中身を説明する中で、附則として盛り込んだ「検討事項」について、「日本語議連は法律案を出すだけが使命ではなく、さまに仕事はこれから、ということ。横ぐしを刺す制度を作る新しいステージに入っていく」と述べた。検討事項とは日本語教育機関に関する制度整備で、大学、大学院から日本語学校、専門学校、ボランティアの日本語教育など様々な取り組みの類型や範囲を検討し、「必要な措置」を講じるという。日本語議連の今後の動きにも注目したい。

シンポ冒頭、大養協代表理事の山本忠行創価大教授は開会のあいさつで、日本語教師の公的な資格について政府が検討を始めるなど環境が大きく変化していることを踏まえ、「日本語教員の養成の仕事も大きな改革を迫られる状況になっている」と述べた。

シンポでは、里見議員のほか、NPO法人グローバルサポートセンターの山下ゆかり代表理事▽協同組合エヌケーユーの又賀良子代表理事▽早稲田大学の宮崎里司教授▽NPO法人青少年自立援助センターの田中宝紀事業責任者がそれぞれの取り組みや研究を報告した。最後に報告者によるパネルディスカッション行われた。

にほんごぷらっと編集部

にほんごぷらっと編集部にほんごぷらっと編集部

投稿者プロフィール

「にほんごぷらっと」の編集部チームが更新しています。

この著者の最新の記事

関連記事

コメントは利用できません。

イベントカレンダー

6月
12
12:00 AM 留学生対象の日本語教師初任者研修... @ オンライン(ZOOM)
留学生対象の日本語教師初任者研修... @ オンライン(ZOOM)
6月 12 2024 @ 12:00 AM – 1月 31 2025 @ 12:00 AM
日振協による文部科学省委託の初任研修が今年も始まります。 告示校で10年程度専任で経験されている方対象です。 OJTで実際の運営に関わりながら研修運営を肌で学んでいただけます。 研修詳細は協会ホームページより、チラシと募集案内をダウンロードしてご確認ください。   「日振協 留学生対象の日本語教師初任者研修」は「オンライン映像講義」「(オンライン)集合研修」「自己研修(自律的学習)」の三位一体の編成により、①自律的・持続的な成長力 ②対話力 ③専門性という3つの資質・能力の育成を目指すもので、忙しい仕事の合間を縫って学べるよう、また地方の教育機関に所属している受講生への負担を減らすため、e-Learningを利用した研修となっています。 2020年度から、この初任者研修と並行して、「育成研修」を併せて実施しています。「育成研修」は初任者研修のサポートを行いながら研修の企画や実施方法を学び、将来全国各地で初任者研修の実施担当者として活躍していただく人材を育成する研修です。具体的には以下のことを目指しています。 ①初任者教員の協働的かつ自律的な学びを支援し、21世紀に活躍できる日本語教師としての資質・能力及びICT活用能力の獲得へと導く ②研修委員に必要な経験と能力を身につける 研修は、フルオンライン(zoom使用)で実施いたします。学内で初任者の指導を任されている方、地方在住でなかなか研修機会に恵まれない方など全国各地からご参加いただきたく存じます。修了生は今後実施委員になっていただく可能性もございます。どうぞ奮ってご応募ください。 チラシ(PDF 裏表2頁/1枚)
6月
29
12:00 AM 留学生に対する日本語教師初任研修 @ オンライン
留学生に対する日本語教師初任研修 @ オンライン
6月 29 2024 @ 12:00 AM – 1月 31 2025 @ 12:00 AM
本研修のカリキュラムは文化審議会国語分科会の「日本語教育人材の養成・研修の在り方について(報告)」に基づいており、初任者が体系的・計画的に日本語指導を行うための実践的能力として (1)自律的・持続的な成長力 (2)対話力 (3)専門性 の3つの資質・能力の養成を狙いとした90単位時間のプログラムです。忙しい仕事の合間を縫って学べるよう、また地方の日本語教育機関の新任の先生方への負担を減らすため、e-Learningを利用した研修となっています。 研修形態はフルオンラインです。昨年度同様、今後日本語教師にますます求められるであろうICT活用能力(オンライン授業やハイブリッド授業の実践等)に重点を置いた研修を行います。 つきましては、ぜひ多数の日本語教師初任者の方にご参加いただきたく下記のとおりご案内いたします。どうぞよろしくお願い申し上げます。 チラシ(PDF 表裏2頁/1枚)
11月
22
7:00 PM 教室内談話: 学習者間相互交流とL... @ オンライン(ZOOM)
教室内談話: 学習者間相互交流とL... @ オンライン(ZOOM)
11月 22 @ 7:00 PM – 12月 13 @ 8:30 PM
※この講座の内容は2022年実施分に準じます。 教室内談話: 学習者間相互交流とL2学習を考える 学習者同士が互いに話し合う活動は、近年の外国語(L2) 教室には不可欠です。また、学習者同士 が学習言語で対話する活動の意義やL2 習得における効果は、外国語教育において興味深いトピッ クの1 つです。本講義では第二言語習得理論を適宜参照しながら、外国語教室で行われる学習者同 士の対話の意義や先行研究で明らかになっている効能、より効果的な実践法や課題と展望について 考察を深めます。 【全4回】 日程: 第1回:2024年11月22日(金)19:00-20:30 第2回:2024年11月29日(金)19:00-20:30 第3回:2024年12月6日(金)19:00-20:30 第4回:2024年12月13日(金)19:00-20:30 内容: 第1回:「学習者同士のL2 対話」と第二言語習得理論 第2回:「学習者同士のL2 対話」と第二言語学習 第3回:「学習者同士のL2 対話」と教師 第4回:「学習者同士のL2 対話」とこれからのL2 指導 【受講料】9,000円(税込)※1講座のみお申込み:2,500 円(税込)

注目の記事

  1. 日本語教育推進に尽力した中川元文科相が次期衆院選に出馬せず 元文部科学大臣で日本語教育…
  2. 移民政策の先駆者・故坂中英徳さんを偲んで 第五話 2050年の「ユートピア」 元東京入管局長の…
  3. 日本語議連第19回総会 日本語教育機関認定法の施行に向けて政省令など議論 日本語教育推…

Facebook

ページ上部へ戻る
多言語 Translate