文化庁が日本語教師の国家資格に「早期制度化を検討」と明言 衆院文部科学委員会で中川正春議員の質問に答えて

文化庁が日本語教師の国家資格に「早期制度化を検討」と明言 衆院文部科学委員会で中川正春議員の質問に答えて

文化庁の矢野和彦次長は11月20日の衆院文化科学委員会で日本語教師の国家資格について「現在、その制度設計にあたり、文化庁では、法律や報告書、さらには、新型コロナウイルスの感染拡大の社会状況も踏まえながら、有識者会議の開催や関係機関との意見交換を行い、課題や論点を整理しながら、制度の詳細について検討を進めている」と述べた。日本語教育推進議員連盟会長代行の中川正春議員(立憲民主)の質問に答えた。

文化庁は10月21日の日本語教育推進議員連盟の第13回総会で「国家資格の創設という手段をとる必要性を法的に説明することが難しい」などと、国家資格の創設が困難との見解を示した。これに対し日本語議連サイドから疑問の声が出ていた。

この日の衆院文科委には萩生田光一文科相も出席した。矢野次長の同委での答弁は、日本語議連での文化庁の見解を事実上修正したものと言える。そうした中で矢野次長は「文部科学省としては、引き続き、国家資格化を視野に、早期の制度化に向けて、関係機関と連携しながら検討を進めていきたい」とも述べた。国家資格については文化庁国語課が主体となり、文科省もバックアップして検討していくとの考えを示したとみられる。

また、中川議員は日本語学校との関連について「入管が日本語学校を管理してきた」現状に疑問を呈し、文科省として直接管理するよう促すとともに、「文科省では文化庁の国語課の中の日本語ということになっているが、その体制で法律が作れるのか」「文化庁の中の国語課で各省庁をまとめていけということ自体無理な話だ」とただした。

中川議員の質問に対し荻生田文科相は「様々な検討状況には(文科省の)総合教育政策局や高等教育、初等中等教育、あらゆる局、指導者を養成する団体の局も入っている」「文化庁も方では鋭意努力をしているので、ぜひご理解を」と述べるにとどまった。

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