議員連盟が設立総会(詳報)

超党派の「日本語教育推進議員連盟」(略称・日本語議連)は、8日夕に参院議員会館で開いた設立総会で、会長に自民党の河村建夫氏、会長代行に民進党の中川正春氏、幹事長に民進党の笠浩史氏、事務局長に自民党の馳浩氏ら役員人事を決めた。4役のうち河村、中川、馳の3氏が文部科学大臣経験者。教育分野の実力政治家のリーダーシップで議論がスタートした。

設立総会は、河村会長が外交案件のスケジュールが急きょ入り予定を1時間遅らせて午後5時に開会。当日までに入会した会員数は46人だが、予定が遅れたこともあって日本語議連へ本人出席は18人だった。しかし、代理の秘書や関係省庁の関係者らで会議室は約120人の出席者で満員の状態。

 会長に選出された河村氏は挨拶の中で、自身が日本ブラジル議員連盟の幹事長として活動してきた経験を踏まえて日系人も含め「日本語がもっと(外国人に)広まっていくことが必要だ」と強調し、「そういう問題を立法府として進めていくべきで、国がもっと動きやすい仕組みを作っていかなければならない」と語った。河村氏は麻生内閣時代に官房長官を務め、リーマンショックで国内の工場で働く日系ブラジル人らが職を追われる中、その救済策などをリードした。

続いて日本語教育に関わりのある文化庁をはじめ、法務省、文部科学省、外務省、厚生労働省、経済産業省の7省庁と国際交流基金の担当者が資料を提示してそれぞれの取り組みを説明した。さらに日本語学校の状況について、当フェイスブックの管理・執筆者でもある移民情報機構の石原進が報告。日本語学校業界は複数の業界団体があり微妙に立場や意見が違うことから、業界の事情に通じる石原が日本語議連の要請で状況説明にあたった。石原は非漢字圏である東南アジアの留学生の増加していることなど資料で示し、日本語教育の大きな柱が日本語学校であることを強調した。そのうえで、「政府は多様な取り組みをしているが、日本語教育の背骨になるような組織がない」と指摘した。

このあと、出席議員と政府関係者の間で質疑が行われた。
(日本語教育推進プラットフォームは、移民情報機構・石原進が編集責任者として随時、日本語議連に関する情報を発信します)

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