外国人労働者の受入れで政府が新たな日本語試験を実施へ
- 2018/10/11
- ぷらっとニュース
- 日本語, 日本語能力試験
- 284 comments
- にほんごぷらっと編集部

外国人労働者の受入れで政府が新たな日本語試験を実施へ
政府が外国人労働者の受け入れ拡大に備えて新たな日本語試験を実施することになった。10月9日の日本経済新聞の朝刊が報じたもので、2019年4月にも始めるという。外国人の日本語能力を測る試験としては、国際交流基金などの日本語能力試験(JLPT)が主に留学生用に使われてきたが、それとは別に就労外国人向けの試験が必要になったためだ。
政府は深刻な労働力不足に対応するため来年4月に「特定技能」という新たな在留資格を創設する。それにより建設、介護、農業、建設、造船、宿泊(観光)の5分野をはじめ十数の業種で外国人労働者を受け入れるとしている。政府は2025年までに5分野だけで50万人の受入れを見込んでいるが、それ以上の数の外国人が増える可能性は大きい。
受け入れにあたって政府は「一定の日本語能力が必要」としている。「一定の日本語能力」をどのように判定するのかが課題だったが、報道では「日本で働く外国人が職場で円滑に意思疎通する実践的な力を重視する」とし、「電話応答やスケジュール管理など仕事で必ず使用する語彙・表現の習得を確認する」という。
また、受験者に対し迅速に結果を知らせるためコンピューターを使った試験を検討。出題はリスニングとリーディングの2種類とし、将来はライティングとスピーキングを加える可能性もあるという。外国人労働者の来日前の受験を想定しているとみられる。
現行の最もポピュラーな日本語試験は、国際交流基金と日本国際教育支援協会が行っているJLPTで、レベルの高い順にNIからN5に分類される。この中で「基本的な日本語を理解することができる」N4を「一定の日本語能力」と見る向きが多い。
ただし、JLPTはペーパー試験であり、「会話能力」を判定することはできない。このため新たな試験が必要になった。来年4月から実施するとなると、試験づくりやコンピューターで行うためのシステム構築などに相当の時間が必要になる。来年度予算に外務省が22億円を計上し、国際交流基金が新試験づくりに取り組むというが、果たして間に合うのかどうか。
にほんごぷらっと編集部
この著者の最新の記事
-
- 2025/8/29
- ぷらっとニュース
愛伝舎創立20周年記念シンポ
-
-
-
-
- 2025/8/29
- 未分類
愛伝舎創立20周年シンポ(その四)<外国ルーツの若者が未来を語る>
-
関連記事
人気記事
-
愛伝舎創立20周年記念シンポ 2025年8月29日 に投稿された
-
埼玉県川口市の芝園団地の「実像」とは? 団地自治会の事務局長が「団地と共生」を出版 2023年2月2日 に投稿された
-
「団地と共生」の始まりは「隣近所との協力関係」の構築か 2023年3月23日 に投稿された
-
愛伝舎創立20周年シンポ(その一)<外国人支援の140人が参加して盛大に> 2025年8月29日 に投稿された
-
愛伝舎創立20周年シンポ(その四)<外国ルーツの若者が未来を語る> 2025年8月29日 に投稿された
-
愛伝舎創立20周年シンポ(その二)<坂本理事長がその歩みを振り返る> 2025年8月29日 に投稿された
-
愛伝舎創立20周年シンポ (その三)◆佐々木聖子さんの基調講演「自然体の多文化共生をめざして」◆ 2025年8月29日 に投稿された
-
移民政策の先駆者・故坂中英徳さんを偲んで 第二話 日本型移民政策の提言(下) 2024年3月4日 に投稿された
-
日本語教師で「第二の人生」歩む——日本経済新聞の記事より 2023年12月27日 に投稿された
-
「やさしい日本語」には「誤解」という落とし穴 TBSの「ひるおび」のコメントを考える 2018年6月12日 に投稿された
今日のランキング
-
「団地と共生」の始まりは「隣近所との協力関係」の構... 2023年3月23日 に投稿された
-
埼玉県川口市の芝園団地の「実像」とは? 団地自治会... 2023年2月2日 に投稿された
-
多言語・多文化の時代を拓(ひら)く ~日系ペルー人... 2021年8月30日 に投稿された
-
ベトナムの若者を「高度人材」に育成するVCIアカデ... 2018年9月21日 に投稿された
イベントカレンダー
