日本語教育学会春季大会が26、27日の両日、東京外語大で

日本語教育学会春季大会が26、27日の両日、東京外語大で

日本語教育学会(石井恵理子会長)主催の2018年度日本語教育学会春季大会が26、27の両日、東京都府中市の東京外国語大学で開かれる。在留外国人の急増に伴い日本語教育の重要性が注目される中、今大会は「日本語教員養成の新しい役割と可能性」がテーマ。超党派の日本語教育推進議員連盟(河村建夫会長)の日本語教育推進基本法(仮称)制定に向けての議論も大詰めを迎えており、大会での活発な議論が期待される。

大会初日は午前10時から、一般公開プログラムとして大会テーマのパネルディスカッション(入場無料)が開かれる。「日本語指導が必要な子どもたちを取り巻く学習環境を手掛かりとして」を副題に、「日本語教育の視点を持った人材育成」に関して学会会長の石井恵理子東京女子大教授らが議論を行う。

午後からは、第1部が「日本語教育におけるこれからの評価研究を考える」▽「人的・物的リソースを活用した大学間連携ネットワークの形成」▽「日本語学校の質的保証」、第2部が「DLAのダイナミック・アセスメントとしての可能性」▽「食べ物を通した日本語教育」▽「『生活者として外国人』への言語教育に携わる人材はどうあるべきか」と、それぞれ3つのテーマでパネルセッションが開かれる。

2日目は午前、午後に各3会場で口頭発表が行われる。日系ブラジル人や韓国人に関する日本語教育をはじめ、ビジネス日本語、MOOCSにおける日本語オンライン、介護の日本語教育など個別のテーマついて計18件の研究の成果が報告される。このほか、31件のポスター発表も掲示される。

文化庁によると、平成2年に約6万人だった国内の日本語学習者は、27年には3倍余りの19万人に増え、その学習内容も多様化している。そうした中で、今大会で文化庁委託の「外国人児童生徒等教育を担う教員養成・研修モデル開発事業」調査研究部会が、教員養成や研修に関する調査結果を報告。今後の教員養成や研修のありかたを直接説明し、関係者に理解を深めてもらう。

1月に開会した通常国会は、森友・加計問題などで政府与党と野党が激しくぶつかり合い、法案審議が膠着状態となっている。このため日本語教育推進議員連盟の総会も4月まで開かれていないが、立法チームの幹部が基本法案の原案作りを進めている。議連としては連休明けに議論を再開したいとしており、基本法の原案が公表されれば今後の日本語教育の方向性が示されるわけで、日本語教育学会の研究者サイドからも注目を集めそうだ。

以下は、日本語教育学会春季大会の資料

http://www.nkg.or.jp/wp/wp-content/uploads/2018/03/18springprogram.pdf

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6月
12
12:00 AM 留学生対象の日本語教師初任者研修... @ オンライン(ZOOM)
留学生対象の日本語教師初任者研修... @ オンライン(ZOOM)
6月 12 2024 @ 12:00 AM – 1月 31 2025 @ 12:00 AM
日振協による文部科学省委託の初任研修が今年も始まります。 告示校で10年程度専任で経験されている方対象です。 OJTで実際の運営に関わりながら研修運営を肌で学んでいただけます。 研修詳細は協会ホームページより、チラシと募集案内をダウンロードしてご確認ください。   「日振協 留学生対象の日本語教師初任者研修」は「オンライン映像講義」「(オンライン)集合研修」「自己研修(自律的学習)」の三位一体の編成により、①自律的・持続的な成長力 ②対話力 ③専門性という3つの資質・能力の育成を目指すもので、忙しい仕事の合間を縫って学べるよう、また地方の教育機関に所属している受講生への負担を減らすため、e-Learningを利用した研修となっています。 2020年度から、この初任者研修と並行して、「育成研修」を併せて実施しています。「育成研修」は初任者研修のサポートを行いながら研修の企画や実施方法を学び、将来全国各地で初任者研修の実施担当者として活躍していただく人材を育成する研修です。具体的には以下のことを目指しています。 ①初任者教員の協働的かつ自律的な学びを支援し、21世紀に活躍できる日本語教師としての資質・能力及びICT活用能力の獲得へと導く ②研修委員に必要な経験と能力を身につける 研修は、フルオンライン(zoom使用)で実施いたします。学内で初任者の指導を任されている方、地方在住でなかなか研修機会に恵まれない方など全国各地からご参加いただきたく存じます。修了生は今後実施委員になっていただく可能性もございます。どうぞ奮ってご応募ください。 チラシ(PDF 裏表2頁/1枚)
6月
29
12:00 AM 留学生に対する日本語教師初任研修 @ オンライン
留学生に対する日本語教師初任研修 @ オンライン
6月 29 2024 @ 12:00 AM – 1月 31 2025 @ 12:00 AM
本研修のカリキュラムは文化審議会国語分科会の「日本語教育人材の養成・研修の在り方について(報告)」に基づいており、初任者が体系的・計画的に日本語指導を行うための実践的能力として (1)自律的・持続的な成長力 (2)対話力 (3)専門性 の3つの資質・能力の養成を狙いとした90単位時間のプログラムです。忙しい仕事の合間を縫って学べるよう、また地方の日本語教育機関の新任の先生方への負担を減らすため、e-Learningを利用した研修となっています。 研修形態はフルオンラインです。昨年度同様、今後日本語教師にますます求められるであろうICT活用能力(オンライン授業やハイブリッド授業の実践等)に重点を置いた研修を行います。 つきましては、ぜひ多数の日本語教師初任者の方にご参加いただきたく下記のとおりご案内いたします。どうぞよろしくお願い申し上げます。 チラシ(PDF 表裏2頁/1枚)
8月
5
10:00 AM 令和6年度日本語学校教育研究大会 @ 国立オリンピック記念青少年総合センター
令和6年度日本語学校教育研究大会 @ 国立オリンピック記念青少年総合センター
8月 5 @ 10:00 AM – 8月 6 @ 4:30 PM
令和6年度日本語学校教育研究大会 1 開催日時 本大会 2024年8月5日(月)10:00~16:45 8月6日(火)10:00~16:15 ポストセッション 2024年8月23日(金)19:30~21:00 2 会場 国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区) 3 参加方法 会場参加:8/5、6は会場参加。後日一部プログラムのアーカイブ配信視聴可。8/23ポストセッションに参加可。 オンライン参加:一部プログラムのライブ配信・後日アーカイブ配信を視聴可。8/23ポストセッションに参加可。 3 応募締切:2024年7月24日(水) 4 詳細、申込方法 https://www.nisshinkyo.org/news/detail.php?id=3163&f=news 「日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律」施行に伴い、各校においては教育理念や到達目標、評価方法、および教育・学習内容等の見直しを進められていることと存じますが、認定されることがゴールではなく、その先を見据えて、自分たちの教育、および学校全体を見直し、リニューアルすることが大事なのではないでしょうか。 今回は、大会のテーマを「これからの新しい日本語学校の話をしよう」とし、プログラムを企画しました。 日本語学校教育に興味・関心をお持ちの方ならどなたでもご参加いただけます。 皆様のご参加お待ちしております。 【8/5】 講演「日本語教育機関の認定と登録日本語教員について」 (文部科学省総合教育政策局日本語教育課) 講演「技能実習制度及び特定技能制度をめぐる状況と育成就労制度の創設について」 新井靖久(出入国在留管理庁政策課 課長補佐) 講演「『逆向き設計』論に基づくカリキュラム設計-より良い教育評価を目指して」 奥村好美(京都大学 教育学研究科 教育学環専攻教育・人間科学講座准教授) パネルディスカッション 加藤早苗(インターカルト日本語学校 校長)亀田美保(大阪YMCA日本語教育センター センター長) 山本弘子(カイ日本語スクール 代表) 【8/6】 分科会Ⅰ「大学との教育連携を考える~送り出し側と受け入れ側の視点~」 分科会Ⅱ「自ら学び続けるために~学習者と教師のオートノミー~」 義永美央子(大阪大学 国際教育交流センター 教授) 分科会Ⅲ「モジュールボックスを使って学習活動と評価を考えよう!」 自由研究発表・ポスター発表・デモンストレーション・トーキングショップ 協賛団体紹介ブース 【8/23】 ポストセッション(オンライン交流イベント) 〔問い合わせ先〕一般財団法人日本語教育振興協会 事業部 小野寺陽子 TEL:03-6380-6557 FAX:03-6380-6587 E-mail: nisshinkyo2@gmail.com
8月
6
10:00 AM 母語・継承語・バイリンガル教育(... @ オンライン(ZOOM)
母語・継承語・バイリンガル教育(... @ オンライン(ZOOM)
8月 6 @ 10:00 AM – 8月 9 @ 9:00 PM
母語・継承語・バイリンガル教育(MHB)学会は、国内外の幼児・児童・生徒・成人が読み書きも含むマルチリンガル能力を身につけられる言語教育の方法、理論、研究方法を探ることを目的としており、学会誌の発行や研究大会の開催などの活動をしています。 2024年度は「母語・継承語・バイリンガル教育研究の未来を描く〜次の10年を見据えて〜」をテーマにした研究大会を、来る8月6日から9日までの4日間に渡り、オンラインで開催いたします。関心をお持ちの多くの方のご参加をお待ちしております。

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