日本語教育推進法を受け 第一回「日本語教育推進関係者会議」を開催

日本語教育推進法を受け 第一回「日本語教育推進関係者会議」を開催

日本語教育推進法27条に基づき、政府は文化庁次長と外務省大臣官房国際文化交流審議官を共同議長とし、内閣府、文部科学、総務、厚生労働、経済産業の各省の局長クラスで構成する「日本語教育推進会議」(推進会議)を設置したが、推進会議が専門家の意見を聞くための「日本語教育推進関係者会議」の初会合が11月22日に文化庁で開かれた。

先に開かれた推進会議では、政府の日本語教育推進の基本方針を、来年6月をめどにとりまとめる方向が了承された。関係者会議は「日本語教育に関し専門的な知識を有する者、日本語教育に従事する者及び日本語教育を受ける立場にある」19人の委員で構成され、その意見は推進会議に報告される。この日の第1回会合では座長に西原鈴子氏(日本語教育研究所理事長)、座長代理には伊東祐郎氏(全国日本語教師養成協議会会長)が選任された。

会議では事務局側から日本語教育の現状について日本国内は文化庁国語課長、海外については外務省文化交流・海外広報課長より説明の後、委員が日本語教育の現状を報告。神吉宇一氏(日本語教育学会副会長、武蔵野大学准教授)が国内外の取り組みについて、小林整次氏(愛知県教育委員会学習教育部長)より愛知県の学校教育現場での日本語教育指導、さらに渡邊貴和氏(横浜市国際局国際制作部長)代理は横浜市第三セクターによる「日本語学習コーディネート業務」による日本語学習支援について報告した。

日本語教育推進関係者会議は、来年1月下旬に第2回、2月中旬~3月上旬に第3回を行う予定だが、3月には日本語教育推進の「基本方針」素案を取りまとめ、4月に「基本方針」素案に関するパブリックコメント実施、6月には第2回目の「日本語教育推進会議」を開催した後、日本語教育推進法第10条に規定された「基本方針」(日本語教育の推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進するための基本方針)が閣議決定される。この基本方針に基づき政府は日本語教育を推進するための施策を推進することになる。

日本語教育推進関係者会議委員19人は以下の通り(五十音順、敬称略)

荒木幹光(全国日本語学校連合会理事長)、
アンジェロ・イシ(武蔵大学社会学部教授)
伊東祐郎(国際教養大学専門職大学院教授、全国日本語教師養成協議会会長)
岩本仁(福岡外語専門学校理事長、全国専修学校各種学校連合会副会長)
神吉宇一(日本語教育学会副会長、武蔵野大学准教授)、
小林整次(愛知県教育委員会学習教育部長)
小林ミナ(早稲田大学大学院日本語教育研究科長・教授、日本語教育学会副会長)
佐藤郡衛(明治大学国際日本学部特任教授)、
高橋進((株)日本総合研究所チェアマン・エメリタス)
田尻英三(龍谷大学名誉教授)
チャド・マレーン(タレント)
島田浩平(自治体国際化協会理事)
中村文彦(横浜国立大学副学長・教授)
中郡仁朗(首都大学東京人文社会学部長)
西原鈴子(日本語教育研究所理事長)
福島青史(早稲田大学大学院日本語教育研究科教授)
村田春文(国際交流基金日本語第1事業部長)
山口修(日本語教育振興協会理事)
渡邊貴和(横浜市国際局国際政策部担当部長)

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12:00 AM 留学生対象の日本語教師初任者研修... @ オンライン(ZOOM)
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日振協による文部科学省委託の初任研修が今年も始まります。 告示校で10年程度専任で経験されている方対象です。 OJTで実際の運営に関わりながら研修運営を肌で学んでいただけます。 研修詳細は協会ホームページより、チラシと募集案内をダウンロードしてご確認ください。   「日振協 留学生対象の日本語教師初任者研修」は「オンライン映像講義」「(オンライン)集合研修」「自己研修(自律的学習)」の三位一体の編成により、①自律的・持続的な成長力 ②対話力 ③専門性という3つの資質・能力の育成を目指すもので、忙しい仕事の合間を縫って学べるよう、また地方の教育機関に所属している受講生への負担を減らすため、e-Learningを利用した研修となっています。 2020年度から、この初任者研修と並行して、「育成研修」を併せて実施しています。「育成研修」は初任者研修のサポートを行いながら研修の企画や実施方法を学び、将来全国各地で初任者研修の実施担当者として活躍していただく人材を育成する研修です。具体的には以下のことを目指しています。 ①初任者教員の協働的かつ自律的な学びを支援し、21世紀に活躍できる日本語教師としての資質・能力及びICT活用能力の獲得へと導く ②研修委員に必要な経験と能力を身につける 研修は、フルオンライン(zoom使用)で実施いたします。学内で初任者の指導を任されている方、地方在住でなかなか研修機会に恵まれない方など全国各地からご参加いただきたく存じます。修了生は今後実施委員になっていただく可能性もございます。どうぞ奮ってご応募ください。 チラシ(PDF 裏表2頁/1枚)
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本研修のカリキュラムは文化審議会国語分科会の「日本語教育人材の養成・研修の在り方について(報告)」に基づいており、初任者が体系的・計画的に日本語指導を行うための実践的能力として (1)自律的・持続的な成長力 (2)対話力 (3)専門性 の3つの資質・能力の養成を狙いとした90単位時間のプログラムです。忙しい仕事の合間を縫って学べるよう、また地方の日本語教育機関の新任の先生方への負担を減らすため、e-Learningを利用した研修となっています。 研修形態はフルオンラインです。昨年度同様、今後日本語教師にますます求められるであろうICT活用能力(オンライン授業やハイブリッド授業の実践等)に重点を置いた研修を行います。 つきましては、ぜひ多数の日本語教師初任者の方にご参加いただきたく下記のとおりご案内いたします。どうぞよろしくお願い申し上げます。 チラシ(PDF 表裏2頁/1枚)
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