佐々木入管庁長官から外国人支援・多文化共生ネットに感謝状 10日名古屋入管から伝達

佐々木入管庁長官から外国人支援・多文化共生ネットに感謝状 10日名古屋入管から伝達

愛知、三重、岐阜の3県の外国人支援のNPOなど12団体で構成する「外国人支援・多文化共生ネット」(代表・坂本久海子NPO法人愛伝舎理事長)が出入国在留管理庁の佐々木聖子長官から感謝状を贈られることなり、7月10日に名古屋出入国在留管理局長から伝達された。坂本理事長より、「入管庁の佐々木聖子長官から感謝状」という報告が「にほんごぷらっと」に寄せられました。報告文は以下の通り。

 

入管庁の佐々木聖子長官から感謝状

外国人支援・多文化共生ネットが出入国在留管理庁の佐々木聖子長官より「感謝状」を頂くことになり、名古屋出入国在留管理局で7月10日に贈呈式があり、佐野豪俊局長より感謝状を手渡されました。3月18日付の発令でしたが、新型コロナウィルスの感染拡大の影響で、贈呈式は延期されていました。外国人支援・多文化共生ネットは昨年7月10日に発足し、名古屋入管局で記者会見を開きました。創立1周年の記念の日に感謝状を頂き、これまで私たちの活動にご理解、ご支援を下さったすべての方々に心より感謝申し上げます。この感謝状を励みに、これからも「多文化共生づくり」に向けて、努力していきたいと思います。

東海3県の12の市民団体がネットワークを構築して、名古屋入管局と連携ができるようになり、私たちは外国人支援の現場での課題や国への要望を、国や自治体に届ける新たなルートができました。昨年12月に外国人支援・多文化共生ネットとして、国への提言をまとめて提出しましたが、それ以外に名古屋入管局の「受入環境調整担当」の皆様に、私たちの活動現場を直接視察に来て頂きました。今年度は更に各団体の活動現場に足を運んで頂けるそうで、外国人の参加者の声に触れて、国の施策に繋げてもらいたいと思います。

私たち12団体は、10年、20年あるいはそれ以上の長きにわたり多文化共生や外国人支援などに取り組んできました。日本の社会は人口が減少し、それに反比例するように外国人労働者の受け入れが拡大しています。しかし、行政の外国人へのサービスの優先度は低く、日本の社会で安定して暮らしていけない人たちを目の当たりにし、もどかしい想いをしながら活動を続けてきました。そんな中、2018年12月に入管法が改正され、政府は「外国人受け入れ・共生のための総合的対応策」を閣議決定しました。

その中の施策に「外国人支援団体のネットワークの構築を支援する」という施策があり、名古屋入管局の藤原浩昭前局長に声をかけて頂き、「外国人支援・多文化共生ネット」の結成をする運びとなりました。入管というと、外国人を管理するお堅い役所というイメージしかなかったのですが、「共生」を担当する「受入環境調整部門」の皆様方と連携するようになり、入管庁が国の司令塔として、これからの「共生社会づくり」を推進していこうという意気込みを感じています。外国人支援・多文化共生ネットの結成から1年が経ちましたが、試行錯誤を覚悟しながら、「共生社会」の構築を目指して活動を進めていきたいと思います。

感謝状の中で佐々木長官から「貴ネットワークは名古屋出入国在留管理局との協力のもと民間の外国人支援団体同士によるネットワークの構築し外国人支援団体の新しい支援の在り方の模範として共生に向けた社会づくりに大きな貢献をなされました よってここに感謝の意を表します」とのお言葉を頂きました。

この感謝状に目を通して、ネットワークの構築の意味を改めて考えました。現在、参加している団体は、それぞれの地域で長年活動に取り組んで、経験、ノウハウ、知見、行政や外国人とのパイプを持っていますが、去年のネットワークの構築によって、同じ目標を持つ仲間としての連帯が生まれました。また、情報の共有やお互いの活動から学び合う事ができるようになりました。結成時にあまり意識できていなかったことで、1年が経ってネットワークの構築の価値をより感じることができました。

1990年の改正入管法の施行後、東海地区の製造業の現場で多くの外国人が増えて、各地で市民団体が日本語教育や子どもたちの教育支援などの活動をスタートしました。2008年のリーマンショックで製造業が大きな打撃を受け、失職した多くの日系人が帰国しましたが、定住を選んだ人も少なくありません。その子どもたちは日本の社会で教育を受け、今後、社会の構成員として暮らしていくでしょう。

全国的に外国人が増えていますが、労働者としてだけでなく子どもの教育を含めて地域の生活者として受け入れていく環境づくりが必要です。労働者としてだけでなく、地域の生活者、構成員として日本の社会で受け入れていく環境づくりを、「外国人支援・多文化共生ネット」の活動を通じて後押ししできればと考えています。東海地区での私たちの取り組みを、活力や多様性に富んだダイバーシティ社会の実現に繋げていきたいと思っています。

今回の新型コロナウィルスの影響は、外国人の雇用や暮らしにも大きなダメージを与えています。ポストコロナの時代の共生社会を見据え、定住外国人の暮らしを安定と地域社会の活性化にお役に立てるよう、これからも活動に力を入れていきたいと思います。より多くの方のご理解、ご支援をいただければ幸いです。

外国人支援・多文化共生ネット 代表 坂本久海子

(NPO法人 愛伝舎 理事長)

にほんごぷらっと編集部にほんごぷらっと編集部

投稿者プロフィール

「にほんごぷらっと」の編集部チームが更新しています。

この著者の最新の記事

関連記事

コメントは利用できません。

イベントカレンダー

7月
5
終日 日本語ジェンダー学会 第25回年次... @ 実践女子大学(渋谷キャンパス)
日本語ジェンダー学会 第25回年次... @ 実践女子大学(渋谷キャンパス)
7月 5 終日
第25回年次大会 研究発表募集要項 2025年7月5日(土)に実践女子大学(渋谷キャンパス)にて開催される、第25回年次大会での研究発表を募集します。以下の要領でお申込みください。  発表資格: 研究代表者=当日の発表者は、応募および発表時点で当学会の会員である必要があります。会員登録は、当学会事務局で随時受け付けておりますので、応募時までに会員登録をお済ませください。 会員登録はこちら新しいウィンドウで開きますからお願いします。 なお、研究代表者以外の連名者は、会員・非会員は問いませんが、採択された場合、後日の参加申込みは連名者も含み全員にしていただきます。 発表内容: 言語(特に日本語)・言語による作品・言説・発話・言語使用状況・言語使用環境等をジェンダーの観点から論じた内容を含む未発表のもの(発表内容は、大会テーマに関わるもの or 関わらないもの、どちらでもよい) → 大会テーマ「メディア・ことば・ジェンダー」 発表言語と時間: 日本語で30分(口頭発表20分+質疑応答10分)以内  申し込み期間: 2025年3月3日(月)–  5月7日(水)24:00 (JST) 申し込み方法: 当学会のウェブサイト上の「研究発表申込み書新しいウィンドウで開きます」をダウンロードして、研究者名、発表タイトル、発表概要(1000-1500文字)などを記入してアップロードする。 → 3月3日(月)以後に、こちら新しいウィンドウで開きますにアップロードしてください。 可否通知: 審査後5月16日(金)までに研究発表担当の実行委員からご本人に結果を通知します。場合によっては、一定の条件や修正への要求が提示される場合があります。 予稿集原稿: 採択された方は、6月6日(金)24:00までに予稿集に掲載する発表要旨を日本語で執筆してください。場合によっては、修正や加筆をお願いする場合があります。執筆要項は可否通知の際にお知らせします。 ★二重投稿や剽窃などの不適切な原稿に関しては厳しく対処致しますので、研究者としての良識をもってご執筆ください。 以上.
7月
12
終日 言語科学会 第26回年次国際大会(J... @ 愛媛大学 城北キャンパス
言語科学会 第26回年次国際大会(J... @ 愛媛大学 城北キャンパス
7月 12 – 7月 13 終日
言語科学会第 26 回年次国際大会(JSLS2025)開催・研究発表募集のご案内 言語科学会 (JSLS: The Japanese Society for Language Sciences) では以下の要領で、 第 26回年次国際大会 (JSLS2025) を開催いたします。 大会日程: 2025 年 7 月 12 日(土)~ 13 日(日) 開催場所: 愛媛大学 城北キャンパス(愛媛県松山市文京町 3) 大会ウェブサイト: http://www.jslsconference.jpn.org/jsls2025/ 基調講演: Jae DiBello Takeuchi 氏 (Indiana University Bloomington)
7月
20
10:00 AM 【!!追加募集!!】NPO法人日本... @ オンライン (オンライン上での集合研修 および 動画視聴による個人学習) ・「就労者の異文化適応」「教材研究」は対面(東京・大阪)で実施。 オンラインでの参加も選択可能。
【!!追加募集!!】NPO法人日本... @ オンライン (オンライン上での集合研修 および 動画視聴による個人学習) ・「就労者の異文化適応」「教材研究」は対面(東京・大阪)で実施。 オンラインでの参加も選択可能。
7月 20 2025 @ 10:00 AM – 2月 8 2026 @ 2:45 PM
【!!追加募集!!】NPO法人日本語教育研究所 主催文部科学省委託 令和7年度現職日本語教師研修プログラム普及事業 就労者に対する日本語教師【初任】研修 就労者に対する日本語教師養成 –日本語教育研究所の多様な研修実績及び人材を活かしたビジネス日本語教育/指導- ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ この研修は、これから新たに就労者に日本語を教えたいと考えている方を主な対象としています。スキルアップにぜひお役立てください。 再受講をご検討の方へ 本研修はこれまでに弊所の研修をご受講された方も、再度ご参加いただけます。 実際に現場に出て、もう一度確認したいことなども出てきているのではないでしょうか。 さらに実践的な指導力を高める良い機会となりますので、ぜひご検討ください。 ─────────────────── ■期間 2025年7月20日(日) ~ 2026年2月8日(日) *日程等の詳細は、募集要項のリンク先からご覧ください。 ■対象 日本語教育機関認定法に基づく「登録日本語教員」を対象としますが、本法の経過措置期間内(令和10年度まで)は、令和6年度までに下記を修了した方も対象とします。 1)日本語教師として下記のいずれかの要件を満たす方  ①大学/大学院で日本語教育に関する教育課程を修了し、大学/大学院を卒業/修了した方  ②大学/大学院で日本語教育に関する科目の単位を26単位以上修得し、大学/大学院を卒業/修了した方  ③公益財団法人日本国際教育支援協会「日本語教育能力検定試験」に合格した方  ④学士の学位を有し、日本語教師養成講座 420 単位時間以上を修了した方 2)原則として、就労者への日本語教育歴が0~3年未満の方 ■定員 100名 ■受講料 20,000円(税込) ※教材費込み ■申込方法 以下のリンクからお申し込みください。 https://forms.gle/JWtnJ6WzzCNQvQx88 ■申込締切 2025年6月30日(月)【募集期間延長しました!!】 ■募集要項 https://docs.google.com/document/d/1uHn1k6zdRIgcQ2-lK5Uyr1Qa5vlwzXCFvKEUw3UjJVU/edit?usp=sharing ■お問い合わせ NPO法人 日本語教育研究所(研修事務局) nikken.kenshu@gmail.com
8月
7
10:00 AM 令和7年度日本語学校教育研究大会 @ 国立オリンピック記念青少年総合センター
令和7年度日本語学校教育研究大会 @ 国立オリンピック記念青少年総合センター
8月 7 @ 10:00 AM – 8月 8 @ 4:30 PM
日本語学校教育研究大会では、各日本語教育機関における実践・事例の報告の機会として、発表の場を設けています。 意見・アイディア交換の場としてぜひご活用ください。 皆様からのご応募お待ちしております。

注目の記事

  1. 移民政策の先駆者・故坂中英徳さんを偲んで 第二話 日本型移民政策の提言(下) 元…
  2. 労災防止に「やさしい日本語」を 日本語議連の里見事務局長が国会で議論 日本語教育推進議員連盟事…
  3. 日本語議連が総選挙後初の総会 政府の日本語教育の取り組みを議論 日本語教育推進議員連盟(柴山昌…

Facebook

ページ上部へ戻る
多言語 Translate