日本語学校の認定制度と教員の国家資格を法制化へ 日本語教育は大きな転換期に

日本語学校の認定制度と教員の国家資格を法制化へ 日本語教育は大きな転換期に

文化庁は12月13日、「日本語教育の質の維持向上の仕組みに関する有識者会議」を開き、日本語学校の認定制度と日本語教員の国家資格に関する報告書の素案を提示した。文化庁は報告書をもとに法制化の作業を進め、来年の通常国会に法案を提出したい考えだ。法律が整備されれば、「法務大臣告示」で日本語学校が〝認可〟される現在の制度が大きく様変わりし、文科省が主導する仕組みになる見通しだ。

素案によると、日本語教育課程を適切・確実に実施することができると判定された日本語学校については、文部科学相の認定を受ける制度を新設。認定された日本語学校の情報をインターネットで公表するという。質の高い教育を行っている日本語学校を国が「認定マーク」を付与するする格好だ。また、日本語教育の取り組みに関しては報告を求め、勧告や是正命令などを講じることができるとされる。認定を受けた学校の教育の質を維持させるのが狙いだ。

一方、日本語学校の教員の国家資格については、認定日本語学校で教員として働くことを条件に「登録日本語教員」としての資格を付与する。資格を得るには知識や技能に関する筆記試験に合格し、教育実習を受けなければならない。従来の民間試験とは違い、国が責任をもって試験を実施する。ただ、実施にあたっては経過措置が設けられるほか、現在、教鞭をとっている日本語教師の既得権に配慮しながら仕組みづくりを進めるとみられる。

政府は2019年6月に制定された日本語教育推進法に基づき、日本語教育推進のための基本方針を策定した。これを受けて文化庁を中心に日本語教師の資格の整備や日本語学校のあり方を改善する仕組みづくりに着手。今回の有識者会議をはじめいくつかの検討機関で議論を重ねてきた。

日本語学校は1983年の中曽根政権の「留学生10万人計画」をきっかけに外国人留学生の受け入れ・教育機関として創設された。しかし、法整備が整わない中で日本語学校が林立し、問題が多発した。1988年には中国・上海の日本総領事館に中国の多くの若者が押しかけた「上海事件」が発生した。これは悪質な日本語学校の留学生受け入れを法務省が差し止め、授業料を支払ったにもかかわらず渡航できなくなった中国人の若者が抗議に押し寄せたもの。日中間の外交問題にもなった。

問題の背景には、留学生のアルバイト問題や留学生を受け入れる日本語学校への指導・監督が十分に行われていないなど制度上の不備があった。そうした中で政府は2008年6月に新たに「留学生30万人計画」を策定し、コロナ化で入国規制が行われるまで留学生は右肩上がりで増えていた。

文化庁がまとめた報告書の素案など関係資料は以下のURLでご覧になれます。

https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kondankaito/nihongo_kyoin/93800202.html

 

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