在日ミャンマー人の日本語教室で修了式と日本語報告会

在日ミャンマー人の日本語教室で修了式と日本語報告会

首都圏で暮らす在日ミャンマー人でつくるNPO法人PEACE(マリップ・センブ理事長)の日本語教室の終了式が2月24日夜、新宿区の早稲田奉仕園が開かれた。修了式では、1年間の勉強の成果を披露する日本語のスピーチがあり、修了生は「もっと日本語が上手になりたいです」と意欲を語り、お世話になった先生への感謝の言葉を贈った。

この日本語教室は、「生活者のための外国人」の日本語教育事業として文化庁から助成金を受け、日本語学校が正規の日本語教師が授業を行っている。この日本語教室は、今年度で5年目を迎える。平日は仕事があって参加できないため授業は日曜日の夜にあり、A(初級)、B(中級)、C(上級)の3つのグループに分け、計48人が参加。このうち40人近い人が「修了」まで頑張った。約7割は主婦など女性だ。

修了式では、マリップ理事長らから修了生に終了証書が手渡された。また、35回の授業を1回も休まずに参加した3人に皆勤賞の賞状と記念品が授与された。一方、修了生たちは、指導したくれたインターカルト日本語学校(東京都台東区)の教師3人に感謝の気持ちを込めて花束を贈った。

このあと、出席した修了生全員がそれぞれ日本語でスピーチ。「わかりやすい授業でたくさんの漢字も覚えました。どうもありがとうございました」「この教室で日本の文化や生活のことも勉強しました。感謝しています」「地震の時のことやゴミの出し方も先生は親切に教えてくれました」「もっと頑張って日本語が上手になりたいので、来年度も宜しくお願いします」「文化庁やPEACEの皆さん、日本語教室をやってくださり、ありがとうでございました」など、感謝や意欲を語る言葉が相次いだ。

中には30年も日本にいながらPEACEの日本語教室に出会うまで日本語を学ぶ機会がなかったことを話した修了生もいた。外国人を受け入れる以上、少なくとも行政サービスとして日本語教育を行うことは、国や地方自治体の責任だろう。

最後の挨拶に立ったインターカルト日本語学校の加藤早苗校長は、ミャンマー人の生徒からもらっている暑中見舞いや年賀状に「日本語を勉強して町を歩くのが楽しくなった」「勤め先の上司とメールができるようになった」などと書かれたいたことを紹介し、「日本語がゴールではありません。次に何をするか、ということが大事です」と呼び掛けた。

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言語科学会第 26 回年次国際大会(JSLS2025)開催・研究発表募集のご案内 言語科学会 (JSLS: The Japanese Society for Language Sciences) では以下の要領で、 第 26回年次国際大会 (JSLS2025) を開催いたします。 大会日程: 2025 年 7 月 12 日(土)~ 13 日(日) 開催場所: 愛媛大学 城北キャンパス(愛媛県松山市文京町 3) 大会ウェブサイト: http://www.jslsconference.jpn.org/jsls2025/ 基調講演: Jae DiBello Takeuchi 氏 (Indiana University Bloomington)
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令和7年度日本語学校教育研究大会 @ 国立オリンピック記念青少年総合センター
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日本語学校教育研究大会では、各日本語教育機関における実践・事例の報告の機会として、発表の場を設けています。 意見・アイディア交換の場としてぜひご活用ください。 皆様からのご応募お待ちしております。
8月
26
10:06 AM 第11回日本語教育支援システム研究... @ 英キール大学(Keele University)
第11回日本語教育支援システム研究... @ 英キール大学(Keele University)
8月 26 @ 10:06 AM
第11回日本語教育支援システム研究会(CASTEL/J)国際大会 第11回日本語教育支援システム研究会(Computer Assisted Systems for Teaching and Learning Japanese – CASTEL/J)国際大会を英国中部スタッフォードシャー州にあるキール大学(Keele University)にて英国日本語教育学会(BATJ)・キール大学ランゲージ・センターとの共催で開催することとなりました。 日本語教育支援システム研究会国際大会は、日本語教育関係者、日本語教育のリーダーに日本語教育におけるテクノロジー使用の最先端の動き、将来の方向性を共有する機会を作ってきました。2020年のパンデミックにより授業のオンライン化・ハイブリッド化が進み、それに加えて、この数年の人工知能(AI)技術の急速な発展と普及により、日本語教育は元より私たちを取り巻くテクノロジー環境が大きく変化しています。これらの技術的発展を効果的に教育・学習に取り入れ促進していくことは今まで以上に重要となっています。世界中からこの分野の優れた研究者、実践者が集まるこの国際大会に是非ご参加ください。 日時:2025年8月26日(火)〜27日(水) 会場:英スタッフォードシャー州キール大学チャンセラーズ・ビルディング 共催:英国日本語教育学会(BATJ)、キール大学ランゲージ・センター

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