文化庁が日本語教師の資格と日本語教育機関をセットで議論へ 法制化は来年に

文化庁が日本語教師の資格と日本語教育機関をセットで議論へ 法制化は来年に

文化庁は1月25日、第2回日本語教師の資格に関する調査研究協力者会議(西原鈴子座長)をオンラインで開いた。昨年7月の第1回の調査研究協力者会議では国家資格の公認日本語教師の創設を検討する方針が提示されたが、今回は併せて日本語教育機関の「類型化」を議論する方向が示された。来年度の通常国会に法案を提出、公認日本語教師の試験の実施機関の設置など準備期間を経て実施は「2024年以降」とされた。

公認日本語教師の制度の整備ついては2020年7月に閣議決定された「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」に盛り込まれ、同6月に閣議決定された政府の日本語教育推進の「基本的な方針」にも「日本語教師の資質・能力を証明するための新たな資格の制度設計」という表現で国家資格が盛られた。政府はこれを既定方針として位置付けている。

これまでの議論では、公認日本語教師は名称独占の資格であり、この資格を持たないからといって日本語協議ができないわけではない。国家資格を付与することによって、日本語教師の社会的な地位向上を図り、日本語教育の質も高めるのが目的だ。その実に向けて関係者の期待は大きい。

一方、日本語教育機関に類型化については、日本語教育推進法の附則の第2条でその範囲や評価制度について検討するよう求めている。今回、文化庁は国家資格の創設を議論するのにあたり、日本語教育機関の定義などを併せて詰めることで日本語教師の在り方を明確する必要があると判断した。

ただ、法制化を進めた日本語教育推進議員連盟の議論を見る限り、日本語教育機関の類型化については、法務省告示の日本語学校の設置形態の在り方などが想定されていた。文化庁は今回、方針を修正して地域の日本語教室なども含めた広い意味での日本語教育機関を議論の対象にする意向のようだ。調査研究協力者会議の委員として自治体関係者など5人を選任している。

地域の日本語教室の教師はボランティアが多く、地域の外国人の子どもだけでなく急増する技能実習生の学習をサポートしているケースも増えている。外国人支援をはじめ多文化共生の社会づくりを目標に掲げた市民団体もある。その取り組みや考えは多種多様だ。そうした団体の類型化をどのようにするのか。課題は少なくない。

文化庁は、調査研究協力者会議の議論を経て「公認日本語教師と日本語教育機関の類型化」に関する法案の概要を5月までにまとめ、来年の通常国会で法案を成立させたいとしている。その後、試験の実施機関の設置などを約2年間の準備期間が必要だという。次回の協力者会議からは各論に踏み込んだ議論をしたいというが、建設的な「まとめ」が示されることを期待したい。

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