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第76回JSL漢字学習研究会
- 2018/8/10
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発表
タイトル:ベトナム人日本語学習者における未知の漢字単語の意味推測-漢越音知識による影響の検討-
発表者:TRAN HUY THONG(環太平洋大学学部生)・長野 真澄(環太平洋大学)
内容:ベトナム語には漢語由来の語彙が多く存在し,それらの語は個々の漢字に対応するベトナム語音(以下,漢越音)で構成される。本研究では,ベトナム人日本語学習者における漢越音の知識が未知の日本語漢字単語の意味推測に与える影響を検討するために実験を行った。実験では,日本語能力試験N2以上の習熟度のベトナム人日本語学習者を対象に,日本語とベトナム語とで元の使用漢字が一致する2字漢字単語を用いて各参加者の未知単語を抽出し,その未知単語の意味を推測するように求めた。その結果,漢越音知識の豊富な学習者に限り8割近くの未知単語を正しく推測することができ,その推測方法は4パターンにまとめられた。
タイトル:ベトナム人留学生の漢字字形誤用例の収集
発表者:井上 幸(東大阪大学アジアこども学科)
内容:ベトナム人留学生の書字例を中心に、漢字字形(筆画の構成)の誤用分析を試みる。対象は勤務校の留学生(初級~中級)。授業(主に漢字小テスト)にて収集した字形から、誤用例を抽出し、その類型の紹介を行う。この事例については既発表論文(「ベトナム人留学生の書字について―漢字字形の誤用例抽出―」『東大阪大学・短期大学部教育研究紀要2017』(2018年3月))で一部報告した。一画の増減(過剰か脱落)や、複合的に誤用が発生し全く別の形で別字でもないもの(創作)などである。本発表ではその後収集した例を加え、さらに分析行う。
ワークショップ
タイトル:「パソコンやスマホを使った漢字学習」の方法を探る
発題者:濱川 祐紀代(目白大学外国語学部日本語・日本語教育学科)
内容:学習者からも教師からも「パソコンやスマホを使ってできる漢字学習の方法はないか」と聞かれることが増えてきました。教師からは「サイトやアプリを知らないため,学習者にアドバイスできず困っている」と相談を受けることも少なくありません。「パソコンやスマホを使った漢字学習」というと,どのような方法があり得るのでしょうか。バリエーションがあるのでしょうか。本ワークショップでは,参加者間で「パソコンやスマホを使った漢字学習」というテーマにあうものを紹介しあい,共有する場をもちたいと思っています。また,最後には学部生が考える「パソコンやスマホを使った漢字学習」の方法をご紹介します。アイディアをお持ちの方もそうでない方も積極的にご参加いただき,ワークショップが情報共有や新しい視点の獲得の場になれば幸いです。