外国人増加などで夜間中学拡充 文科省有識者会議
- 2019/5/28
- ぷらっとニュース
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外国人増加などで夜間中学拡充 文科省有識者会議
夜間中学で学ぶ外国人が増えていることから、文部科学省は従来の目標である夜間中学を全都道府県で各1校設置するとの方針に加え、すべての政令指定都市でも設置を目指す方針を固めた。5月25日の日本経済新聞が報じた。省内の有識者会議で夜間中学の拡充策をまとめたもので、文科省は6月に最終的な報告を受けた後、各自治体に設置を促していく。
夜間中学は、戦後の混乱期に昼間働いて夜に勉強をする人のために各地で設置され、1955年のピーク時には89校、生徒数は5209人にのぼった。その後は減少したが、外国人の増加とともにその必要性が見直されている。在籍する生徒の7割は外国人だが、昼間の学校と同じように国語や数学などの教科を教えている。
夜間中学は現在9府県に計33校ある。2016年に議員立法で義務教育機会確保法が成立し、全都道府県に1校を設置することが目標となった。また、同法には「国籍問わず」に教育の機会を与えるとしており、外国人も学べることが法的に保証された。
政令指定都市では外国人が増えているが、20の政令指定都市のうち夜間中学があるのは7市だけ。有識者会議はすべての政令指定都市に夜間中学を設置すべきだとの方針をまとめた。また、生徒への経済的な支援、夜間中学への財政支援なども検討課題に挙げた。
今国会で成立が見込まれる日本語教育推進法案でも、推進すべき施策として夜間中学の活用が盛り込まれている。同法案が成立すれば、夜間中学の設置促進にも追い風となるとみられる。
にほんごぷらっと編集部