初代入管庁長官の佐々木聖子氏が退職 公認に菊池浩最高検検事

初代入管庁長官の佐々木聖子氏が退職 公認に菊池浩最高検検事

佐々木聖子出入国在留管理庁長官が8月2日付で退任することになった。マスメディアが報じた。佐々木氏は法務省が外局として2019年4月に設置した出入国在留管理庁の初代長官。政府の新たな外国人政策の中で、「日本人との共生」(在留管理)の施策の整備に尽力した。佐々木氏の後任には菊池浩最高検検事が就任する。

佐々木氏は1985年法務省入省。入国管理局などで入管行政一筋の官僚人生を送った。20代後半に休職し、シンガポールやカンボジアなど約15カ国を2年間かけて回った。その体験などを「アジアから吹く風 いま外国人労働者のふるさとは」(朝日新聞社刊)を出版した。異色の入管官僚だ。

外国人の出入国管理の業務は、上から目線で外国人と接するケースが多く、入管職員は外国人から「畏怖」される存在だ。しかし、佐々木氏は海外経験などから政策を通じて外国人との距離を近づけようと努力してきた。2018年12月の移管法改正で「在留管理」を入管に新たな任務に加えたが、これは見方によっては、外国人との「共生社会」をつくるための施策でもある。外国人の「出入国管理」一辺倒だった政府の外国人政策の大きな方針転換だった。

2018年の入管法改正に併せて佐々木が主導して策定した「外国人受入れ・共生のための総合的対応策」は、政府が閣議決定する「外国人政策の総合メニュー」でもある。外国人が急増する中で、佐々木氏は新たな社会の基礎づくりに取り組んだ。

とはいえ、長官在任中に名古屋入管で収容されていたスリランカ人が死去し、外国人収容の在り方が大きな批判を浴びた。佐々木氏にとっても「痛恨の事態」であったはずだ。出入国管理と在留管理という2つミッションをどのように調和していくのか。ポスト佐々木の入管庁には、なお重い課題が残されている。

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