教科学習を支援する年少者日本語教育と教員養成

日時:
2018年7月14日 @ 1:30 PM – 4:35 PM
2018-07-14T13:30:00+09:00
2018-07-14T16:35:00+09:00
場所:
池上会館 第一会議室
日本、〒146-0082 東京都大田区池上1丁目32−8
参加費:
1500円
お問い合わせ:
大学日本語教員養成課程研究協議会
教科学習を支援する年少者日本語教育と教員養成
近年増加の一途をたどる国内の外国人児童生徒に対する日本語の支援は,2014年度,小・中学校における「特別の教育課程」として実施が認められるようになりました。現在,何をどう教えるか,生活言語から教科についていける学習言語の習得にどうつなげるかなど様々な課題を抱えながら,先生方は日々現場で試行,工夫をなさっているのではないでしょうか。本講演会では,ペンシルバニア大学のバトラー後藤裕子先生と京都教育大学の浜田麻里先生をお招きし,外国人児童生徒の教科学習支援につながる日本語の指導の在り方と子供たちを支える教員の養成と研修についてお話をしていただきます。
日時:7月14日(土)午後1時30分~4時35分
会場:〒146-0082 大田区池上1丁目32番8号 池上会館 第一会議室
会費:大養協会員 1,000円 大養協非会員 1,500円
<スケジュール>
13:00~13:30  受付開始
13:30~13:35  開会挨拶
13:35~14:35  講演1:
        学習言語の習得とその指導
        (バトラー後藤裕子先生)
14:35~15:00  質疑応答
15:00~15:10  休憩
15:10~16:10  講演2:
        子どもの日本語教育を担う教員の養成・研修のあり方を考える
        ーモデルプログラム「日本語指導の理論と方法」を中心にー
        (浜田麻里先生)
16:10~16:35  質疑応答
16:35       閉会挨拶
=================
学習言語の習得とその指導
バトラー後藤裕子先生(ペンシルバニア大学)
 学童年齢期の第二言語学習者(以下,第二言語学習児童生徒と呼ぶ)には,初期指導だけでなく,学年相当の教科学習を行うために必要な,いわゆる「学習言語」を習得するための組織的な支援が不可欠である。英語学習者を多く抱えるアメリカでは,日常のオーラル・コミュニケーション場面で,非常に流暢に言語を操ることができるようになっても,学習言語の発達が不十分だと判断され,7年またはそれ以上の長期にわたり,英語学習者の立場にとどまってしまっている子どもたちが少なくない。ただ,学習言語のとらえ方には,研究者の間でも見解が異なっており,その指導・評価に関しても,いろいろなアプローチがあり,課題が多い。その一方で,母語話者の間でも,学習言語の習得に問題を抱えているケースが少なくないと考えられている。日本の場合,外国につながる児童生徒の約8割が,日本語学習者の数が5人以下の学校に在籍しているという現実を考慮すると,日本語学習児童生徒に特化した学習言語指導を組織的にいきわたらせるのはなかなか難しい。本発表では,第二言語習得児童生徒に特化した支援の重要さを十分認識した上で,第二言語学習児童生徒と母語話者の抱える共通の課題にも焦点を当て,母語話者をも含めた,すべての児童生徒を対象をした包括的な学習言語習得のための支援を提案したい。
子どもの日本語教育を担う教員の養成・研修のあり方を考える
-モデルプログラム「日本語指導の理論と方法」を中心に-
浜田麻里先生(京都教育大学)
 内なるグローバル化の進展とともに日本語指導の必要な児童生徒の数は増加を続けているが,2割を越える子どもは学校で日本語指導等特別の指導を受けられていない(文部科学省平成26年度調査)。最大の理由は「指導者がいないため」とされている。子どもの日本語教育を担う指導者の育成は急務である。
 前半は,公益社団法人日本語教育学会が昨年度より文部科学省の受託を受けて行っている「外国人児童生徒等教育を担う教員の養成・研修モデルプログラム開発事業」の成果を参照し,全国の大学,教育委員会,国際交流協会等の関係者が子どもの日本語教育を担う教員に求める資質・能力に関する調査結果を紹介する。
 後半は,この事業で提案されているモデルプログラム例「日本語指導の理論と方法」を用いて,日本語の授業づくりを参加者に体験していただく。
 子どもの日本語教育を担う教員の養成・研修について広く関心を持っていただき,その養成を推進する一助とするとともに,その質的向上に向けて議論を深めたい。

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7月
1
終日 留学生に対する日本語教師初任者研修 @ オンライン開催
留学生に対する日本語教師初任者研修 @ オンライン開催
7月 1 2023 – 1月 3 2024 終日
日振協による文化庁委託の初任者研修が今年も始まります。 告示校で3年程度までの経験者対象です。 映像講義の視聴とテスト、数回のオンライン集合研修、自分の授業を改善する自己研修の3つに分かれており、様々な角度からの学びと教師としてのステップアップを目指せるカリキュラムとなっております。 研修詳細は https://www.nisshinkyo.org/index.php 最新トピックスをご覧ください。
10月
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10:00 AM 凡人社オンライン日本語サロン研修... @ オンライン開催
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10月 14 @ 10:00 AM – 11:30 AM
凡人社オンライン日本語サロン研修会 コンテントベースのデザインレシピー学習者の批判的思考を促す日本語の授業―   [日 時] 2023年10月14日(土)10時00分~11時30分(オープン9:40)   [定 員] 250名(先着順,定員になり次第締め切ります)   [対 象] 主に日本語教師、フリーランス、日本語教育ボランティア、など   [参加費] 無料 ※要予約 前日(10/13)17時までに招待URLを送ります。   [講 師] 小山 悟 先生(九州大学留学生センター准教授)   [内 容] 『コンテントベースのデザインレシピ』(凡人社発行)は、コンテントベースの日本語授業のデザインについて“レシピ”を提示する一冊です。 批判的思考を促す手段として、質問作成活動を導入しています。 教育心理学や学習科学、第二言語習得研究の知見に基づいた実践とデザイン実験を積み重ねた軌跡から、コンテントベースの授業デザインのヒントと刺激を得られます。 全編、先生と元学生(新米日本語教師)の対話形式。 『コンテントベースのデザインレシピ』の紹介をしながら皆さまといっしょに、授業デザインについて悩み、より良い方法を探っていきます。   [お問い合わせ・お申込み] 担当:凡人社/坂井 E-mail:ksakai@bonjinsha.co.jp   下記お申込みフォームかメールでお申し込みください。 ※メールでお申し込みの際はタイトルに「オンライン日本語サロン研修会(10/14)」と入れて、本文にご氏名・ご所属・ご連絡先をご記入ください。   お申込みフォーム→https://onl.la/ULbrZa9
10月
17
1:00 PM 全8回_【少人数】養成講座修了者向... @ オンライン開催
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10月 17 @ 1:00 PM – 12月 5 @ 3:00 PM
全8回_【少人数】養成講座修了者向け日本語教師実践スキルアップコース_23年10月17日(火)~12月5日(火)毎週火曜13:00-15:00 @ オンライン開催
【少人数】全8回_養成講座修了者向け日本語教師実践スキルアップコース_初級 初級の実習(技能別)を徹底的に復習できます。 養成講座の授業を担当しているTCJ日本語教師養成講座の専任教務リーダーが教育実習を指導する講座です。 【講師】 岩崎 透(TCJ日本語教師養成講座 教務リーダー) 経歴:大学卒業後、印刷会社大手に入社。国内MBAを取得し、国際協力活動に従事し複数の国で日本語を教えはじめる。その後、異文化理解と日本語教育への関心が深まり、筑波大学大学院にて日本語教育を専攻。修了後は、国際交流基金にてインドネシアで教師育成研修を推進。帰国後TCJ入社。現在は養成講座の教務リーダーとして実技指導の教壇に立ちながら、日本語教師の新任研修や育成サポートも実施。 Youtubeでも活躍中 https://www.youtube.com/@nihongo_kyoushi_yousei/about 【こんな方にお勧め】 ・自分の授業の進め方に自信がない方 ・受講生とのコミュニケーションの取り方が不安な方 ・経験したことのないレベルを担当することなった方 ・資格は取ったけど、実際の教壇に立つまでに再度実技を学んでおきたい方 ・職場の人に聞きにくいことについて、情報交換・知識交換をしたい方 ・対面授業しか経験がなく、オンラインでの授業もできるようになりたい方 【対象】養成講座を修了している方 ※TCJ養成講座以外の方もご参加いただけます。 【講座回数】 計8回(約2か月) 【総講座時間】 16時間(週1回/1回2時間) 【日時】 10月17日~12月5日まで。毎週火曜日13:00-15:00 (10/17、10/24、10/31、11/7、11/14、11/21、11/28、12/5) 【講座内容】 第01回 文法「聞きにくい…、初級文法の授業ってこれでいいの?」 第02回 文法 模擬授業(普通形・名詞修飾) 第03回 読解「初級の読解って語彙じゃない…?どうやってやると効果的?」 第04回 読解 模擬授業(トピック導入・大意取り・精読) 第05回 聴解「聴解って、音声流して、解答言って、再度聞いて…。このやり方でいいのかな?」 第06回 聴解 模擬授業(聴解授業のやり方) 第07回 会話「会話の授業が丸暗記の授業になっちゃう。学生は楽しそうにしてるけど…これでいいのかな?」 第08回 会話 模擬授業(タスク中心の授業、ICTツールも使いこなそう!) 【受講料】 88,000円(税込) 【受講形式】 オンライン(Zoom) 【修了書発行基準】 全8回のうち、6回以上出席、かつ、偶数回(模擬授業の回)の全参加の方に、受講修了書を発行いたします。 ※奇数回は、録画します。欠席された方は動画でキャッチアップいただけます。 ※全8回における修了書発行のため、1回ずつの申込はできません。 【定員】 12人(少人数制) 【問い合わせ先】 東京中央日本語学院 養成講座事業部 https://xn--euts3n8lg6bk91h.jp.net/
10月
19
10:00 AM 令和5年度生活指導担当者(中堅)... @ 国立オリンピック記念青少年総合センター
令和5年度生活指導担当者(中堅)... @ 国立オリンピック記念青少年総合センター
10月 19 @ 10:00 AM – 5:20 PM
令和5年度生活指導担当者(中堅)研修 2020年より続いた新型コロナウイルス感染症による水際対策強化が終了し、多くの留学生が日本語教育機関に入学しています。 一方、日本語教育機関は、現在大きな変革をもとめられており、中堅の教職員は下記に示す3つの流れを踏まえたうえでの学校運営を考えていく必要があります。 そのため、今年度の研修は、9月に中堅、来年2月に初任者と分け実施いたします。 生活指導担当者(一部教育機関では学生募集、入管行政業務を兼務)のスキル、モチベーションアップを中心に、昨年までのオンラインではなく、 対面式で行い、日本語教師も参加可能な現場の実際課題等を議論解決するグループワークを中心にした研修を行います。 皆様のご参加お待ちしております。 1  日時  令和5年10月19 日(水)10:00~17:20 2 会場 国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区) 3 参加要件 日本語教育機関又は大学・専門学校等教育機関の現場において、 少なくとも3年程度実際に留学生の生活指導に携わっていること。 4 参加費 維持会員及び準会員機関 8,800円(税込)/1人当たり その他の教育機関  17,600円(税込)/1人当たり 5 応募締切:令和5年9月20日(水) 6 詳細、申込方法 https://www.nisshinkyo.org/news/detail.php?id=2958&f=news

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