2023年の新しい年を迎えて 「にほんごぷらっと」が進むべき道は?

 

2023年の新しい年を迎えて 「にほんごぷらっと」が進むべき道は?

あけましておめでとうございます。

「にほんごぷらっと」(日本語教育情報プラットフォーム)は、早いもので、今年で開設から7年目を迎えます。様々な形で私たちの活動にご支援、ご協力をいただいた皆様に心より感謝申し上げます。

昨年は2月にロシアのウクライナへの侵略戦争が勃発、今なお激しい戦いが続いています。

ウクライナから日本への避難民はすでに2000人を超え、各地で避難民への支援の輪が広がっています。しかし、避難民は1日も早く祖国に帰還できる日を待ち望んでいます。プーチン大統領は、「正義」も「大義」もない、悲惨で無謀な戦争をただちに止めるべきです。

日本語教育についていえば、2016年11月に超党派の「日本語教育推進議員連盟」が発足し、約3年にわたり議論を積み重ねた結果、日本語教育推進法が制定されました。議員立法で日本語教育を推進するための法的な枠組みができたわけです。

推進法の施行を受けて日本語学校と日本語教師を公的に位置づける新たな法制度が議論されています。「認定日本語学校」と「公認日本語教員」を一体化させた新たな仕組みが今年中に法律として整備される見通しです。これにより留学生の日本語教育の最前線にある日本語学校の質に向上と社会的な評価が高まることが期待されます。

「にほんごぷらっと」は、議員連盟による日本語教育の政治的な議論など様々な動きをインターネットで情報発信してきました。それは日本語教育の現場と政治をつなぐ「新たな光景」を映し出し、日本語教育の歩みの記録であると自負いています。また、政府が在留外国人との多文化共生の社会づくりを進めていますが、そのインフラ整備としての日本語教育の重要性についても指摘してきました。

「にほんごぷらっと」は今後、どのような道を歩むのか。「やさしい日本語」はもとより、日本語教育に軸足を置きながらも、より多様な情報を発信してきたいと考えています。例えば、外国人支援や外国人労働者の現場の情報、また在留外国人の視点を重視した情報、さらには大手メディアが見過ごしている事案にも意識的に光を当てていきたいと思います。

「にほんごぷらっと」は任意団体です。わずか4人の世話人が原則ボランティアで、サイト運営に携わっています。それぞれに別の仕事を持ちながらの活動とあって、不十分な点が多々あろうかと思います。その足らざる部分を外部の方々に補ってもらい、活動の幅を徐々に広げていきたいと考えています。

「にほんごぷらっと」のサイトへのアクセスは、1カ月あたり約2万件に上ります。決して少ない数ではありません。皆さま方の期待を重く受け止め、決意を新たにしつつ、新年を迎えたいと思います。

にほんごぷらっと編集長・石原 進

石原 進(いしはら・すすむ)日本語教育情報プラットフォーム代表世話人

投稿者プロフィール

「にほんごぷらっと」の運営団体である日本語教育情報プラットフォーム代表世話人。元毎日新聞論説副委員長、現和歌山放送顧問、株式会社移民情報機構代表取締役。2016年12月より当団体を立ち上げ、2017年9月より言葉が結ぶ人と社会「にほんごぷらっと」を開設。

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3月
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9:00 PM 「世界中の日本語教育関係者のため... @ オンライン開催
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3月 23 @ 9:00 PM – 11:00 PM
例年好評の「世界中の日本語教育者のためのオンライン交流会」を2024年3月に開催いたします。開催にあたり、発題者を募集いたします。 「オンライン交流会」では、世界中の日本語教育・学習に関心のある人たちがグローバルに新たなつながりを持てるようになることを目ざしています。今実践や研究されていること、あるいはこれから実践や研究したいと考えていることをご発題いただき、同じ興味や関心、問題意識を持つ仲間を探してみませんか? 世界中の日本語教育関係者のためのオンライン交流会(ライブ開催) 日時:2024年3月23日(土)21:00~23:00(日本時間) 言語:日本語 参加資格:世界中の日本語教育・学習関係者 参加費:無料 お申込み・詳細はこちらをご覧ください。 発題者募集 例えば、現場での悩み、相談したいこと、研究仲間を探している企画など、 完成した研究や実践でなくて大丈夫です! また、大学生・大学院生、日本語学習者によるご発題も大歓迎です!  募集する内容 実践や研究の共有 これから行いたいと考えている実践や研究の共有 例えば、現場での悩み、相談したいこと、研究仲間を探している企画など、完成した研究や実践でなくて大丈夫です! また、大学生・大学院生、日本語学習者によるご発題も大歓迎です!  ご発題にあたり配慮をご希望される方は、ご希望の内容を日本語教育学会国際連携委員会(kokusairenkei@nkg.or.jp)までお知らせください。ご相談のうえ、できる限りの対応を検討させていただきます。  2024年1月27日(土)までに発題申込フォームに話題提供者の情報と発題題目、発題概要(100~200字)をご記入ください。  ※今回は発題者のお申し込みです。お間違いのないようご注意ください。参加者申し込みは2024年2月を予定しています。  注意事項: 参加者からのデータ収集や営利を目的とした話題提供はご遠慮ください。 オンライン交流会でのご発題は、交流を目的としており、「学会発表」ではありません。 応募多数の場合は話題提供者の地域を考慮しながら選考します。  ご参考:昨年度のオンライン交流会WEBサイト https://kokusairenkei2.wixsite.com/kouryukai2023  お問い合わせ:公益社団法人日本語教育学会国際連携委員会(E-mail: gn-nkg@nkg.or.jp)
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凡人社オンライン日本語サロン研修会 漢字授業の事前準備とテキストの使い方,ときどき模擬授業 ~『日本語学習者のための漢字634』を中心に~   [日 時] 2024年3月30日(土)10:00~11:30(オープン9:40)※日本時間   [定 員] 250名(先着順、定員になり次第締め切ります)   [対 象] 主に日本語学校の教師・関係者、日本語教育ボランティア、日本語教育に関心のある方   [参加費] 無料 ※要予約、前日(3/29)17時までに招待URLを送ります。   [講 師] 二村 年哉 先生、阿部 仁美 先生(『日本語学習者のための漢字634』著者)   [内 容] 漢字学習は、既習文法の確認や身近な例とリンクさせることで効率的、かつ学習効果や学習者の満足度もアップします。 今回のセミナーでは、スパイラル学習のしやすい『日本語学習者のための漢字634』(北海道大学出版会発行)を元に進めていきますが、どのテキストを使っても授業の基本は同じです。 手元にテキストがあるかのように画面に表示しながら模擬授業形式で進めていきますので、それを見ながら何をどのように教えたら効果的か、必要な準備は何かについて考えていきましょう。   [お問い合わせ・お申込み] 主催:凡人社 担当:凡人社/坂井 E-mail:ksakai@bonjinsha.co.jp   ※下記お申込みフォームかメールでお申し込みください。 メールでお申し込みの際はタイトルに「オンライン日本語サロン研修会(3/30)」と入れて、本文にご氏名・ご所属・ご連絡先をご記入ください。   お申込みフォーム→https://x.gd/3Tbk8

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